半靴下

ずいぶん前の話になるのだけど、先輩に言われた気になる台詞。
「君はあれだね、靴下を脱ぎかけにして足の半分辺りに引っ掛けてる感じの人だね。」
その時はなんやねんそれ、と思ったのだけど、今考えてみると言い得て妙なのかもしれない。
あのいわゆる「半靴下」状態、意図せずにいつの間にか自分の心地いいようにやってしまっているのだけど、客観的に見るとけっこうだらしない。ある瞬間にそのだらしなさに気付くのだけど、その時にはもうキチンと履くのも脱ぎ去ってしまうのも面倒で、奇妙に宙ぶらりんな状態で布団に入るまで半靴下のまま押し通してしまっている。
要するに、「ああ、僕は今ずいぶんとだらしない格好だなぁ。キチンとしなきゃなぁ。」と思いつつも、延々とその気分を引きずりながらギターを弾いたり、本を読んだりしてずっと暮らしているわけで。
冬に炬燵の内部で半靴下だと更にオマケがつく。そろそろ寝ようという状態に入ると、おもむろに炬燵内部に靴下を脱ぎ捨ててしまって、そのまま顔を洗って歯を磨いて床に就くのね。
だから僕の部屋の炬燵、春になって片付けてみると靴下が大量に発掘されます。このまま地震かなんかが関東一円を襲って、僕の家が沈没したりして、500年後ぐらいに未来の発掘隊が近所を掘り返してみたら、僕の部屋の一角はOパーツになるかもしれない。
大学教授辺りが髭をなでながら、「え〜、これはなんですな。古代人は部屋の中に靴下を溜め込んで宗教的儀式をですな、やってたんですな。このような風習は流し雛のような形で現代にも残っていて云々」とかやるわけだ。
断言してもいい。500年後にまだ流し雛は残ってると思う。
で、何が言いたかったかっていうと、僕の人生はそんな感じです(えー